スローとファースト【167杯目】

年が明けて早一週間。本当にあっという間でした。
依然として正月ボケは続いておりますが、ボケた頭に鞭打って書かせていただきます。

というわけで、正月も無事過ぎたわけですが、皆様はいかがお過ごしだったでしょうか?
私は今月号の蔵元だよりで「スローフード」について書いたものですから、
なんとなくそれが頭の隅にありまして、「スローな生活」を何度となく頭に思い描いたりしたわけです。
ですが、なかなか難しいです。現代人には。

食事において、郷土料理がスローで、ハンバーガーがファーストだということを基準にすれば、
スローフード的は文化的、ファーストフード的は文明的と置き換えられるのかなと考えております。
例えば服についても、和服がスロー(一般的には民族衣装ということ?)で、洋服がファースト。
年賀状でも毛筆がスローで、パソコン(ワープロ)がファースト。
なんとなくイメージは伝わると思います。

私の記憶の中では和服は着たことがありません。
毛筆も小学校の授業だけで、その後は筆を触ることすらありません。
生活の中になくて構わないわけです。むしろ、あっても困る。そんな感じでさえあります。
逆に文明の産物はなくなると非常に不便な生活になるでしょう。
生活の中で立場がまるで反対になってしまっていると言えるのかもしれません。
スローな生活をと呼びかけてみても、どうやら現代人には・・・。

しかし、ただ利便のみを追求していくと結局、文化が廃れます。
現時点で日本酒が置かれている立場も少し似ているようです。
あまりにも文化性が高いために、文明化(工業化)した酒にスピードで負けてしまっているわけです。
悪化が良貨を駆逐したというようなことを言うつもりはありませんが、
水より安い酒や、聞いたこともない化学物質、着色料の添加された酒。
そしてそれを知らずに口にする消費者、それを知らせないメーカー。
戦後の高度経済成長のスピードがあまりにも速すぎたために、
大切な何かを落としてしまったことに気がつかなかったようです。
生命に最も大きな影響を与える食について、
私たちはもう少し真剣に考えなければならないのではないでしょうか?
通常なら草を食べる牛が、牛(肉骨粉)を食べる共食いという現象を起こしたのは人間です。
そして新しい病気が発生した。

こういう事態が起こっているのに、いまだ消費者は食に関して無関心です(私も・・・)
何を食べているのかも知らずに安易に口に運んでいると、
また新しい病気が発生することになるかもしれないのに。

 

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