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其の83 五橋をください ~実はぜんぶ五橋なんです・・・~

 清酒はわが国固有の酒類であり、1000年を優に超える歴史を持ちながら、その種類の多様性や製法等の違いは実はあまり知られていません。身近な酒類だからこそ「日本酒」というカテゴリーでくくりやすく、どれも同じだと思われてしまっているのかもしれません。
 これと似たような話で、お客様からお電話で「五橋をください。」とご注文をいただくことが少なくありません。「五橋」と、ご指名をいただくことは非常にありがたく、うれしいことなのですが、「五橋」はあくまでもブランド名です。「五橋」にも多くの商品があるということが知っていただけていないということなのであれば、私たちのPR不足を恥じねばならないのでしょう。230329.jpg

 「五橋」のブランド名を冠した商品には純米酒や吟醸酒、にごり酒等々、製法や原料米の違い、貯蔵方法などにより約40種類の商品が存在しています(平成23年1月1日現在)。同じ「五橋」であってもそれぞれ異なる商品です。 
 ただ「異なる」とだけ書いたのではどこがどう違うのか、なかなかお分かりいただけないでしょうから、今回は日本酒の種類についてご紹介させていただきましょう。
 酒税法【第三条七】では清酒を次のように規定しています。
清酒とは次に掲げる酒類で、アルコール分が22度未満のものをいいます。
イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
ロ 米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量の100分の50を超えないものに限る。)
ハ 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの


 清酒が米を主原料にしていることは、ほとんどの方がご存じだと思いますので、ここは特にご説明をいたしません。清酒の種類を定めているのは清酒の製法品質表示基準(平成十五年十月三十一日一部改正、平成十六年一月一日適用)です。この基準によれば、清酒は特定名称酒と普通酒の二つに大別されます。特定名称酒の基準は下表のとおりであり、普通酒とは「特定名称酒に該当しない清酒」とされています。

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 特定名称酒と表現するためにはこの基準のほかに①麹歩合(白米重量に対する麹米の重量の割合)が15%以上であること、②農産物検査法によって3等以上に格付けされた玄米又はこれに相当する玄米を精米した白米を原料とすること、また、醸造アルコールを原料の一部としたものについては、③当該アルコールの重量(95%換算重量)が、白米重量の10%を超えないことと規定されています。そして(大)吟醸の名称を表示するためには吟醸造りといわれる、低温でゆっくり発酵させ、粕の割合を高くして、特有の芳香(吟醸香)を有するような醸造方法を採らなければなりません。
 「日本酒」がどれも同じではないことがなんとなく分かっていただけたのではないでしょうか。ですが、通常の生活をしていくうえで、このような分類は知らなくても何の問題もありません。もともと大枠でくくれば同じ「日本酒」なわけですから。
 ですが、規格の違いは造り手の想いやこだわりのあらわれです。製法の違い、精米歩合の違い、原料米の違いなどを一度皆様の舌でお確かめください。そうすることで、今まで「ただの日本酒」だと思って飲まれていたものが、実は「芳醇な純米酒」であったり、「軽快な本醸造酒」であったりすることに、お気づきになることでしょうから。

「牛乳をください」実はこれも・・・

 余談ですが、私たちの身近な食品にも清酒のように「清酒」というカテゴリーでくくられてしまい、厳密には異なる商品であるにもかかわらず、混同されてしまっている食品も少なくないようです。
 例えば牛乳。一般に店頭に並んでいる牛乳類にも種類があります。いわゆる「牛乳パック」に入っているものすべてが「牛乳」ではないのです。
 牛乳類は、3つの種類(+1つ)に分類することができます。
 一つ目がいわゆる「牛乳」です。乳牛から搾ったままの生乳(せいにゅう)だけを原料にしたもので、他のものは一切加えません。清酒風に言うと、純牛乳でしょうか。
 二つ目は「成分調整牛乳」で、生乳から乳脂肪分の一部を除去するか、水分の一部を除去して、成分を調整したものです。何かを加えるのではなく、成分を取り除くことで品質を調整するところが特徴です。
 そして三つ目が「加工乳」で、生乳やバター、脱脂粉乳などの乳製品を原料としたものです。その名の通り「加工」して生産するので、乳成分や乳脂肪分などの成分を目的の値に設定することができます。
 そしてプラス一つが「乳飲料」。これは牛乳や乳製品などにビタミンやコーヒー、果汁など乳製品以外のものを加えてつくったものをいいます。厳密には牛乳類には属しませんので、容器に「牛乳」の表記はできません。そのため、昔懐かしい「コーヒー牛乳」は、姿を消すこととなりました。
 お酒とは全く関係ありませんが、日本酒と同じように大枠でくくられてしまっている飲料としてご紹介させていただきました。
参考サイト http://www.morinagamilk.co.jp/ 森永乳業株式会社 

 

桜の花から生まれたお酒

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 お客様から「白ワインみたい」と表現される日本酒があります。原材料には米と米こうじしか使用していない、正真正銘の純米酒なのにです。
 米が主原料である日本酒が、ブドウが原料のワインに似ているというのは不思議な話ですが、実際に冒頭のような感想を言われる方が少なくありません。
 また、2010年11月号のワインと食とsakeと「ヴィノテーク」には君嶋哲至(きみじまさとし)氏【※1】が当商品に対するテイスティングコメントで「ヨーグルトのような香り」とのコメントもされています。今度は牛乳(発酵乳)に類する香りということですから、いわゆる「日本酒」らしくない香りと味覚であることは想像に難くありません。これも製法により生まれた個性だと言えるのでしょう。
 そんな個性を持つ商品が、低アルコール純米酒「花ならつぼみ」です。
このお酒は山口市阿知須町の桜の花から分離された酵母「やまぐち桜酵母」で醸された純米酒です。
企業秘密の特殊製法により、アルコール度数を5.5%に抑え、桜の花を連想させる穏やかで優しい香り、柔らかな甘味とまろやかな酸味を感じさせるお酒に仕上げました。
 酒税法上での分類は日本酒に間違いありませんが、その味覚は新感覚。花に例えるとつぼみの時期の初々しい味覚。穏やかな春にピッタリのお酒です。
 まだお試しでない方はぜひ一度お試しください。
 
【※1】1892年創業の酒販店「(株)横浜君嶋屋」4代目。日本各地の日本酒・焼酎蔵元を巡り、こだわりの酒を取り扱う。 日本酒およびワインの講師を務めているほか、外国で日本酒セミナーを行うなど、日本の「文化」である酒を国内外に向けて紹介、業界の発展に務めている。

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