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其の75 酒粕は酒の粕なのか?~「粕」という汚名を返上する~

 今から十年ほど前でしたでしょうか、某人気テレビ番組で酒粕の有用性が取り上げられたことで、一時的な酒粕ブームが起こり、市場から酒粕が姿を消したのは。
時同じ頃、「酒粕の凄い薬効」(宙出版)という本が発行されました。サブタイトルには「ガン予防から美容まで最新医学が証明する驚くべき薬理効果」となっています。さらに、第一章のタイトルが「酒粕を食べれば食べるほど、現代病が治る」というもので、ある意味衝撃的なタイトルです。

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酒粕は清酒醪を搾った後の文字通り「粕」なのですが、日本酒の成分が多く残っていて栄養価が大変高いのが特徴です。近年、発酵食品は健康への有用性から活用されることが多く、科学的な研究も進んでいるようでして、食品が発酵することによって得られるメリットには、①ビタミンやアミノ酸などの物質が生まれる、②機能性物質が生成される等が挙げられています。
日本酒と同様に昔からなじみが深いはずの酒粕ですが、意外と知られていないのもまた事実。まずは酒粕の種類について簡単にご説明いたします。
板粕・・・清酒を搾った後に得られる板状の酒粕。市販されているものはこの形状のものが多く見られます。
バラ粕・・・板状に取れなかった酒粕。大吟醸や吟醸酒の酒粕などのように低温醗酵により醸造した場合には、粒が融けきらず板状にならなかったり、搾る際に圧力をかけない場合には柔らかすぎて板状に取れなかったりといったことからバラバラの状態で販売されることがあります。
留粕(踏込み粕)・・・酒粕をタンクで貯蔵、熟成(発酵)させたもの。一般的には漬物用の酒粕として使用されることが多いようです。
問題の酒粕の薬効ですが、薬事法の問題もありますので、この「蔵元だより」の中で『酒粕で○○の病気が治ります。』などと書くことはできません。ですから、この本の中に書いてある中でポイントと思われる部分だけを抜き出すような形でご紹介させていただきます。
糖尿病
糖尿病とはインスリンの作用が妨げられて、血糖が脂肪細胞に取り込まれずに増加してしまう病気。血糖は脂肪細胞に取り込まれることでエネルギー源になるわけですから、糖尿病はそのエネルギー源を確保することができなくなる病気といえるでしょう。しかも、脳細胞は血糖だけが唯一のエネルギー源となりますので、生命に直結する恐ろしい病気なのです。
酒粕にはインスリンに似た働きをする物質が含まれていて、糖尿病の悪化を防ぐ効果が報告されています。また、糖尿病患者の食事療法の基本は糖質を減らして、タンパク質を多く摂取するのが基本とされているようですが、酒粕には糖の吸収を抑える物質が含まれているだけでなく、タンパク質の分解吸収を促進する機能性物質も含まれているとのことです。薬に頼った治療を行えば、副作用の危険が伴いますが、酒粕にはその副作用の心配もないと同著には記されています。
高血圧
高血圧は成人病の一つとされていて、現在日本国民の約十五%が高血圧患者だとされているそうです。高血圧の原因は遺伝、塩分の多い食生活、ストレスであるとされ、遺伝の要素を除けば、私たちの誰もが高血圧患者予備軍と言えるのかもしれません。
血圧の上昇を促進させる物質が体内に存在しますが、その物質の働きを抑えるのがペプチドという物質です。酒粕にはそのペプチドが六種類発見されていますが、マウスへの投与実験では市販されている高血圧の薬と同程度の血圧降下作用が確認されているそうです。
 脳梗塞・心筋梗塞・動脈硬化の予防
酒粕に残存するアルコール分が、血液の固まりを溶かす作用を持つウロキナーゼの合成を促進させます。アルコールがウロキナーゼの合成を促進させるわけですから、もちろん日本酒を飲んでもよい(適量)わけですが、お酒があまり強くない方には酒粕の方がお勧めできるかと思います。
また、酒粕を食べることで、いわゆる善玉コレステロールが増え、悪玉コレステロールが減少するという実験結果が報告されています。悪玉コレステロールが増えると、動脈硬化が進み、脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性が高まるとされています。
このほかにも、アレルギー体質の改善や肝硬変の予防、ガン細胞増殖の抑制、皮膚の保湿効果など、さまざまな健康効果が同著に記されています。
今回は酒粕がテーマでしたので、酒粕の健康効果を中心にご紹介させていただきましたが、もともと酒粕は清酒を搾る際に生まれる副産物です。清酒にも酒粕と同様の健康効果が期待されているようです(詳しくは「OSAKEテラピーで健康になる本」滝澤行雄著(BABジャパン)) から、やっぱり酒粕より日本酒だといわれる方は、適量飲酒でおいしく、楽しく、健康に酔っていただきたいものです。

(参考文献:「酒粕の凄い薬効」滝澤行雄監修 宙出版)


おいしい酒粕にも 注意が必要です!

日本食品標準成分表によると酒粕にはアルコール分が八%程度残存しているとされています。ですから、自動車の運転をする前や酒に弱い人、お子さんなどは酒粕を食べる際には注意が必要です。実際に粕汁二杯を食べた後に車を運転した方が、酒気帯び運転容疑で書類送検された例が報告されています。


 桜の花から生まれた純米酒

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日本酒の原材料は米および米こうじ(および醸造アルコール)ですから、「桜の花から生まれた」と書くと、誤解を招くかもしれません。もちろん日本酒の原材料に桜の花びらなどが使えるわけもありませんから、「桜の花から日本酒を」などというのは、非現実的で、淡くはかない夢にすぎないのです。いや、すぎなかったのです。
 しかし、その夢が花開くことになりました。今から八年ほど前のことです。山口県吉敷郡阿知須町(現在の山口市阿知須町)のソメイヨシノを分離源に、協会酵母と比しても遜色のない発酵力を示す優良酵母が山口県産業技術センターによって分離されたのです。桜を連想させるほのかに甘い香りを生み出す酵母は、「やまぐち・桜酵母」と命名され、弊社でも「花ならつぼみ」という商品名の低アルコール純米酒を商品化しています。
 「白ワインみたい」と表現されることが多いのですが、れっきとした純米酒。米と米こうじから醸される日本酒が、ブドウから醸されるワインのようだと表現されることがあるわけですから、その味わいはまさに新感覚の日本酒だといえましょう。
 「花ならつぼみ」は低アルコールで甘酸っぱさが心地よい、花に例えるとつぼみの時期の初々しいお酒です。満開の桜に囲まれながら、「やまぐち・桜酵母」で醸した「花ならつぼみ」を囲めば、観桜の宴がさらに盛り上がることでしょう。今年のお花見は「花ならつぼみ」で楽しまれてはいかがですか。
 

意外と知られていない甘酒レシピ

本来、甘酒とは米と米こうじを原料に作られるものですが、一般的には酒粕をお湯で溶き、砂糖を加えたもののほうが「甘酒」と認識されていることが多いのではないでしょうか。
米と米こうじから作られる甘酒は、ブドウ糖やビタミン、アミノ酸類が多く含まれており、江戸時代から庶民のお手軽な夏バテ防止の栄養飲料として親しまれていました。それを裏付けるものとして、甘酒は夏の季語とされています。
しかし、酒粕から作られる甘酒は趣が少し違うようで、体が温まるように冬季に飲まれることが多くなっているようです。事実、酒粕が販売される冬の時期、冷え込むと、酒粕のお問い合わせも多くなるようです。現代の習慣からすると、甘酒は冬の季語としても使えるのではないかといった感じです。
酒粕を販売する時期になると、お問い合わせをいただくことがあるのが、甘酒(酒粕を材料とするもの)の作り方です。『酒粕で甘酒を作るにはどのくらいの粕を入れるものなのか?』、『砂糖の量は?』、『一㎏の酒粕で何人分作れるものか?』等々。身近な食品であるような感じがしていましたが、意外と知られていないというのが現実のようです。
というわけで、甘酒レシピをご紹介いたします。これはあくまでも目安としてお考えください。濃さや甘さはお好みで調整していただければよろしいかと思います。

甘酒レシピ(5人分)
酒粕二〇〇㌘
お湯一㍑
砂糖一五〇㌘
生姜汁または塩少々


① 酒粕は細かく刻んで、水に漬けておく。
② 酒粕が柔らかくなったら火にかけ、砂糖を加える。
③ 沸騰させないように弱火で加熱しながら、酒粕が溶けるまでかき混ぜる。
④ できあがり

お好みで生姜汁(または塩少々)を加えてもおいしくいただけるようです。

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