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蔵元だより

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其の74 新酒、誕生~米が珠玉の雫に変わる~

突然ですが、清酒とは「酒税法 第三条第七号」において、次のように定義されています。

次に掲げる酒類でアルコール分が二十二度未満のものをいう。
イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
ロ 米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量の百分の五十を超えないものに限る。)
ハ 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの

 日本酒の主原料が米であることは言うまでもありませんが、ただ米を発酵させただけでは清酒とは言えないのです。ポイントは各項の最後に記されている「こしたもの」です。そう、清酒とは、発酵を終えた後に濾してはじめて清酒となるのです。
発酵を終えた醪(もろみ)は搾られて、酒と酒粕に分けられます。その搾る作業こそが「濾す」ことで、「上槽(じょうそう)」といいます。「上槽」と呼ぶのは伝統的な日本酒造りでは酒袋に入れた醪を「槽(ふね)」と呼ばれる箱に入れて搾ったからです。
上槽をおこなう場所を槽場(ふなば)といいます。「槽」は「ふね」と読みますが、これは昔の搾り機が「舟」の形に似ていたからという、見たままの呼び方です。そして、上槽作業の担当者を「槽頭(せんどう)」とも呼びます。これもそのままの呼び方ですが、昔の杜氏集団制度の中で、蔵人として酒造りに従事した人が農村出身者だけでなく、漁村の出身者もいたことが影響するのかもしれません。
最近の上槽は、昔ながらの「槽」でなく、近代的な連続醪自動圧搾機が使われることが多いようです。弊社では酒質と仕込み規模に応じて連続醪自動圧搾機と、昔ながらの「槽」を現代風にアレンジしたオリジナルの搾り機とを併用しています。また、全国新酒鑑評会などの出品用には「袋吊り」を行い、醪の自重によってのみ滴り落ちる酒を 「斗瓶」に採ることも行います。

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従来の酒袋と酒槽による上槽は、多くの人手と時間を要するのが欠点でしたが、近年開発された自動醪圧搾機はもろみの濾過、圧搾を連続して行い、しかも粕はがしが簡単なこともあり急速に普及しました。機械で搾るという事実が、工業生産的なイメージがあるかもしれませんが、上槽の間、空気に触れる時間が短く済むという利点もあります。
伝統的な上槽の方法は多くの人手と時間を要しますが、弊社においては大吟醸など高級酒の上槽には酒袋に醪を入れて酒槽で搾っていますから、酒質への影響も計り知れない部分があるということでしょう。
伝統的な上槽も、近代的な搾り機を使用した上槽もそれぞれの利点と、酒質に応じて使い分けているわけですから、どの方法が良くて、どの方法が良くないというのはありません。ただ、やはり袋吊りは同じ量の醪から少量しか搾れないこともあり、特別な上槽方法であるというイメージが起こるのは必然かもしれませんが。
ところで、日本酒の仕込みは冬の風物詩で、もちろん搾りたての新酒も冬ならではのもののような気がしますが、「新酒」は秋の季語なのだとか。これは、昔は
清酒(どぶろく?)を自家用の飲料として、新米の収穫後すぐに醸造したためのようです。
また、新酒と言えば酒屋の軒先には酒林(さかばやし)を吊るし、新酒ができたことを知らせる習わしがあります。そろそろ弊社でも新酒が搾りだされる時期。青々とした酒林の完成と、鮮烈なおいしさをもつ新酒の出来上がりをもう少しだけお待ちください。
 

【参考文献】
改定 灘の酒 用語集 灘酒研究会
大極上 日本酒のはなし 須磨公憲
日本酒百味百題  小泉武夫 監修

  和らぎ水のススメ

 年末年始は一年のうちで一番、酒宴が催される機会の多い時期でしょう。忘年会、新年会は言うに及ばず、クリスマスや仕事納めなど、とにかくなにかにつけてお酒を飲む機会ができてしまうのです。「日本全国酒飲み音頭」(歌、バラクーダ)の中では「十二月はドサクサで酒が飲めるぞ」と歌われていまして、何がドサクサかよくわかりませんが、とにかくお酒を飲む機会が多いのは間違いありません。 choko.gif

 そこで、問題になるのが二日酔い。あんなに好きなお酒なのに、「もう二度と飲まないぞ。」と心に誓う瞬間が二日酔いで迎えた朝なのであります。脈打つようなひどい頭痛と、世界が回っているかのような目まいは経験した者だけが知る憂鬱なのであります。
 そんな辛い朝を迎えたくない貴方におすすめのお酒の楽しみ方をご提案いたします。「そんな飲み方は本当の酒飲みの飲み方じゃない」と言われる方もあるかもしれませんが、一度お試しください。目からうろこの逆転的発想の飲み方です。
 

日本酒の水割り

 日本酒の水割りというのはあまり耳にしない飲み方だと思います。ですが、搾ったばかりの日本酒というのはもともと十八度~二十度ほどのアルコールを有しています。それを瓶詰めの際に加水してアルコール度数を調整しているのです。(アルコール調整をしていないものがいわゆる「原酒」です)
  ですから、水を加えて飲む行為は全く問題ありません。市場に出ている商品のほとんどが蔵元で水割りにされているわけですから。ただ水を加えすぎると、酒質 のバランスが悪くなることがありますので、そこは注意が必要です。一割程度の水を加えるくらいなら問題ないのではないのでしょうか。(酒質により異なるの で、少しずつ水を加えながら試されるのもよいでしょう)純米酒で味のしっかりしたタイプのものは、比較的成功しやすいと思われます。※15.5%の清酒一合(180ml)に水を一割加えるとアルコール分は約13.6%になります。


「酒ときどき水」

 日本酒造組合中央会が提唱しているのが、 日本酒ときどき「和らぎ水(やわらぎみず)」。「和らぎ水」とは、日本酒を飲む時にチェイサーとして飲む水のこと。水を飲むことで血中アルコール濃度を下 げることができ、酔いの速度がゆっくりと緩やかになります。酔いを和らげる水、だから「和らぎ水」。「和らぎ水」の効果は酔いを和らげるだけではありませ ん。合間に水を飲むことで、口の中をリフレッシュさせて舌の感覚を新たにする役目もあります。次の一杯をおいしくいただくために、「和らぎ水」をお試し下 さい。

五橋 冬の風物詩 「初しぼり」ご予約受付開始

 冬が来れば思い出す。しぼりたてのあの旨さ。今年もこの時期がやってまいりました。すっかり冬の風物詩として定着した「五橋 初しぼり」。
蔵人も思わず「美味い!」と唸るその酒質。平成20年産新米のみを原料米に醸す、今酒造期第一号の搾りたて。今年も醪を搾る途中の中垂れのみを瓶詰めして、新鮮な風味そのままにお届けいたします。
一年ぶりのあの感動をお楽しみください。平成二十酒造年度「五橋 初しぼり」は11月25日発売です。

 

五橋 初しぼり
原材料 米・米こうじ・醸造アルコール
原料米および精米歩合 日本晴(70%)
【平成20年山口県産米使用】
アルコール分 19度以上20度未満
容量および価格 500ml詰 840円【税込】

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※化粧箱は別売52円【税別】最寄りの小売店様または酒井酒造(株)までお申込ください。
【ご予約締切日:平成20年11月18日】

 

人気逆輸入! 「五橋 純米あらばしり」 

 年内発売のしぼりたて商品で忘れてはならないのが「五橋 純米あらばしり」です。トラタン村産山田錦を原料に醸す弊社こだわりの一品は、ついに今年春のロサンゼルスへの輸出本数が二千本を超えました。すっかりワールドワイドな商品となっています。年々確実に出荷量が増えているのは、この商品の酒質が高く評価していただけているからなのでしょう。
「あらばしり」とは、醪を酒袋に入れて搾り出すときに最初に出てくる、白く濁ったお酒のことをいうのが一般的となっていますが、その語源には諸説あります。例えば 「槽口からスッと走るように荒々しく清酒が流れ落ちるから、荒走り」だというもの。「もともとは新米で造ったお酒という意味で、新走り」だというもの。
しかし、これは日本人にさえほとんど知られていない業界用語です。言葉から酒の味を考えるのではなく、実際に口にしてその味を感じることで、「あらばしり」の言葉の中にある真意伝わるのかもしれません。瓶の中に封じ込められた「あらばしり」の真意である「荒く力強い新酒らしい口当たりと新鮮な風味」を、どうぞ貴方の舌でもお確かめ下さい。


五橋 純米あらばしり

原材料 米・米こうじ

原料米および精米歩合 山田錦(60%)
【トラタン村産山田錦全量】
アルコール分 17度以上18度未満
容量および価格 720ml詰 1,627円【税込】

20.11.15b.jpgのサムネール画像

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