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其の80 Cooking Magic!~料理が変わる。料理を変える。~

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 日本酒造組合中央会では先月から「日本酒を、すべての家庭に」と称した、日本酒の調味料としての効用を啓蒙するキャンペーンを行っています。コンセプトフレーズは「Cooking Magic! ひと振り酒」。
 今回は飲んで楽しむお酒ではなく、料理酒としてのお酒の楽しみ方をご紹介いたしましょう。
 料理酒と言えば、最も知られているのはみりん(味醂)でしょう。こう書けば驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、一般に調味料として知られているみりんは、酒税法上では混成酒に分類されている、れっきとした酒類のひとつで、約十四%のアルコールを含んでいます。
 みりんは蒸したもち米に米麹を混ぜ、焼酎または醸造用アルコールを加えて造ります。もち米のデンプンが糖化されると同時に糖類、アミノ酸、有機酸などが生成され、独特の甘味とコクのあるみりん特有の風味が形成されるのです。
 みりんは清酒が広く飲まれるようになる江戸期までは、甘い飲用酒類として飲まれていましたが、江戸後期になると調味料として、鰻のたれやそばつゆなどに使われるようになり、現在のように調味料として認識されるようになったのです。
 全国味淋協会のホームページ【http://www.honmirin.org/】には、みりんが料理にもたらす効果として、①臭みを消す、②煮くずれを防ぐ、③テリとツヤをつけるなどが挙げられています。 古くから調味料(料理酒)として使われてきたみりんですから、その効果は今さら説明するまでもありません。ただ、みりんには素材を固くする作用があるようですから料理によっては注意が必要です。
 ここで一点気をつけていただきたいのが、「本みりん」と「みりん風調味料」とが混同されやすいという点です。前者が「本」であるのに対して、後者は水あめを主原料とするアルコール分1%未満の甘味調味料。あくまでも「風」です。アルコールがほとんどふくまれていないため、アルコールによる調理効果は期待できません。
 このほか料理酒としては、醸造したもろみを搾る前に「木灰(きばい)」を入れて酸を中和し、保存性を高めた灰持酒(あくもちざけ)といわれる酒類(酒税法上では「雑酒」に分類)があります。もちろん飲用にも適しますが、主に料理酒として使用されることが多いようです。
 灰持酒で有名なのは熊本県の赤酒(あかざけ)です。もろみに木灰を投入することで、本来酸性である酒が微アルカリ性になります。このことにより、糖分とアミノ酸が化学反応を起こして赤味を帯びるようになります。古くから正月のお屠蘇や、冠婚葬祭などの席で使われていた伝統的なお酒です。
 鹿児島県には郷土料理の「酒寿司」に欠かすことのできない料理酒、地酒(じしゅ)があります。「酒寿司」は薩摩藩主の島津公が酒宴で残った料理に酒をかけておいたら、翌朝芳香が漂い、おいしくなっていたことから生まれた料理だといわれています。寿司とはいうものの酢は使用せず、酢の代わりに地酒をたっぷりとかけて作られる、酒豪が多いイメージのある鹿児島県らしい料理です。(最近では地酒と酢を合わせることもあるようです)
 島根県の地伝酒(じでんしゅ)は灰持酒の中で最も濃厚なタイプです。出雲の郷土料理「野焼きかまぼこ」や「宍道湖七珍料理」など出雲の食文化形成に大きな役割を果たしたといわれており、やはり料理酒としてその存在があったようです。
 と、ここまでが日本酒以外の酒類のご紹介。ここからが本題です。冒頭に書いた「Cooking Magic!」これもまんざら大げさな話ではないようで、日本酒が料理にもたらすプラス効果は前述した他酒類の比ではないのです。
 みりんや灰持酒は酒そのものの個性が非常に強いため、料理を選んだり、素材そのものの味を楽しむことが難しかったりするからです。日本酒が平安時代から料理酒として使われてきたのは、その高いプラス効果が古の人々にも経験的に知られていたからでしょう。
 日本酒が料理に対して与える効果は①臭みを消してよい香りをつける(アルコールは素材に染みこみやすいため、熱が加えられ蒸発することで、内部の香り成分を引き出したり、素材の臭みを取り除いたりします。また、香りをつけ素材のいやな臭いを改良します)、②風味をつける(日本酒に含まれている糖やアミノ酸、有機酸が、料理に甘味やうまみ、酸味、コクを加え、豊かな風味をつけます。また煮詰めるとアルコールが揮発して、エキス分が濃縮すると同時にうまみ成分を変化させコクがつき、味を向上させます)、③素材を柔らかくする(日本酒に含まれるアルコールの作用で、肉や魚などの組織に作用して保水性を高めて柔らかくします)、④おいしさを閉じ込める(日本酒を加えて煮ると、煮くずれを防ぐことができるので、素材の成分が溶け出すのを防ぐ効果があります)、⑤焼き色を良くする(グルコースやアミノ酸の加熱によりアミノ・カルボニル反応が起こり、美しい焼き色と香りがつきます。また糖質のカラメル化により、香ばしい香りと色が感じられるようになります)。の5つが謳われています。
 次に日本酒造組合中央会が発行している『料理の魔術師「日本酒」活用テクニック』に書かれている具体例を引用してご紹介いたしましょう。実際にお試しいただければ、意外な使用法とその効果に驚かれるのではないでしょうか。
■日本酒たっぷり豚しゃぶ
 豚のしゃぶしゃぶは、牛肉とは違ったおいしさがありますが、牛肉と同じやり方では豚肉のうま味を十分引き出せません。そこで、湯にたっぷりの日本酒を注ぎ、沸騰させてアルコール分を飛ばしたら、豚肉を入れます。これでうま味のあるおいしい豚しゃぶに。また豚肉のすき焼き、豚肉の煮物などを作ってみると、日本酒の"裏わざ"がはっきりと分かります。
■吸い物に日本酒を入れる
  「このお吸い物、何だかちょっと味が足りないな」と思ったら、日本酒を多さじ1~2杯入れてみてください。たったこれだけのことで日本酒の風味とほのかな甘みが加わり、おいしいお吸い物に変身します。もちろん味噌汁に入れても味がいっそう引き立ちます。
■魚を焼くときに振りかける
 魚を焼くとき、塩を振る前に日本酒をひと振りしておくと、臭みがとれて、香りよく焼けます。冷凍の魚や魚介類を解凍したあとも日本酒を振りかけてから調理すると、冷凍庫の臭いもなくなり、おいしい魚に変身。
■インスタントラーメンに?
 インスタントラーメンがよりおいしくなるって知っていましたか。火を止める寸前におちょこ1杯の日本酒を入れます。アルコールの消臭作用が麺の油臭さを消し、アミノ酸やグルタミンソーダなど日本酒のうま味成分がスープの味にまろやかさをプラスして、とてもインスタントとは思えない一品に。カップラーメンに少量加えてもグッドです。
 料理において万能の効果を発揮する日本酒の「Cooking Magic!」をぜひご家庭でお試しください。

【参考文献】
   料理の魔術師「日本酒」活用テクニック  日本酒造組合中央会
   日本酒百味百題  小泉武夫
   全国味淋協会ホームページ     http://www.honmirin.org/index.html


暑気払いに手軽で簡単おいしい酒ゼリー
~秀逸な酒(シュ)イーツを楽しむ~

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 日本酒を使ったおいしい料理を楽しんだ後は、おいしいデザートが食べたくなるのが人の性。今回は手軽でだれにでも簡単に作れる酒ゼリーのご紹介です。
 使用するお酒は「五橋 発泡純米酒ねね」や「五橋 発泡性酒のの」、「五橋 純米酒 花ならつぼみ」といった、いわゆる日本酒らしくない味わいのものが適しているようです。
 用意するものは、「花ならつぼみ」250ml、市販のゼラチン5g。たったこれだけです。(ここでは「花ならつぼみ」を例にご説明します。)
 作り方
  ①  「花ならつぼみ」をボウルに移しておく。
  ②  約80℃のお湯でゼラチンを溶く。
  ③  ②を①に入れ、よく混ぜる。
  ④  お好みのグラスやカップに入れて冷蔵庫で冷やす。
これで秀逸な酒イーツの完成です。

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 酒を食べるから酒イーツ(eat)とは、うまくない洒落ですが、この酒ゼリーはうまいのです。もっとも、お酒をゼラチンで固めただけですから、味はお酒の味そのまま。だからこそ、「花ならつぼみ」のようなタイプのお酒が適しているのです。
 この夏はつめたくておいしい酒ゼリーで暑気払いはいかがでしょうか?凍らせてシャーベットでもおいしく楽しめます。この場合、瓶のまま冷凍庫に入れると瓶が破損する恐れがありますので、必ず別の容器に移してから凍らせてください。
※アルコール分が含まれていますので、未成年の方はご遠慮ください。
 

自家製梅酒の新常識は日本酒ベースの梅酒作り
日本酒(アミノ酸)+梅(クエン酸)が、カラダにおいしい

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 巷ではすっかり「梅酒はホワイトリカーで作る」ことが常識となってしまっているようで、日本酒で梅酒を作ることは非常識なことだと思われているかもしれません。
 しかし、常識からは新しいものは見つかりません。今年も非常識な日本酒ベースの梅酒作りを、常識あるアナタにお奨めします。
 なぜ日本酒ベースでの梅酒作りをご提案させていただいているかといえば、日本酒には人間の体に不可欠な必須アミノ酸類の九種類全てが含まれているといわれているからなのです。ホワイトリカーにはアミノ酸のような体に有用な成分は、蒸留工程で取り除かれてしまいますのでほとんど含まれていません。
 日本酒に含まれるアミノ酸と梅からたっぷりと抽出されるクエン酸。日本酒で作る梅酒はただおいしいだけでなく、カラダにもおいしいのです。
 飲んでおいしい。カラダにおいしい。そして一番大切なことは「アナタ好み」。市販の梅酒に負けないアナタだけの梅酒作りにチャレンジしてください。
ご注意ください!
ご家庭で果実酒等を作られる場合には、以下の点を守らなければ酒税法違反となります。
 ①混和前の酒類は、アルコール分20度以上であること。
 ②ぶどう、米、麹、とうもろこし、アミノ酸等の使用は不可。
 ③混和後に新たにアルコール分が一度以上増加する醗酵があってはならない。

  五橋 梅酒用
 原材料: 米、米こうじ、醸造アルコール
 アルコール分: 20度以上21度未満
 容 量:1800ml
 価 格: 2,205円【税込】
 

(編集 大下勝己)

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