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其の6 米(米と酒)

酒づくりに適した米

食べておいしい米が、おいしい酒になるわけではありません。酒づくりに向く米と飯米とは違うのです。酒造業界では、酒づくりに適した条件を兼ね揃えた米を酒造好適米と呼んでいます。では、酒づくりに適した条件とは何でしょうか。  ①大粒であること・・・千粒重(玄米千粒)が26g以上あるものが大粒と定義されています。粒の大きさは精米歩留まりの良さにつながります。  ②蛋白質の含有量が少ないこと・・・蛋白質は、醪中で雑味の原因となるアミノ酸に分解されます。つまり、蛋白質の少ないことがアミノ酸の生成を抑える。ひいては、きれいな酒につながるのです。  ③軟質米であること・・・軟質米は水を吸い易いため、蒸した時に外硬内軟の良質の蒸米になります。また、組織が柔軟であるため精米時に砕米が発生しにくく、高精白にも耐えます。  ④心白(米の中心部の白く見える部分)があること・・・麹菌が米の内部まで入りやすく、糖化力の強い麹になります。山田錦は特に麹菌が入りやすい細胞の配列になっているようで最高品種の肩書きは伊達ではありません。  一般に、酒造好適米は古い品種が多いため、背丈が高く倒伏しやすいという特徴があります。これは最近の機械栽培には向きません。また、病害虫に弱く、収量が少ないという欠点も農家の方の意欲を喪失させる一因だったのかもしれません。その結果、好適米の作付け面積は、国内の米の作付け面積のわずか0.5%ほどしかありません。供給量の少ない酒造好適米は、一般米と比べて高価で、一俵約3万円するものもあり、一俵約2万円程度の飯米より5割も高いことになります。  酒造好適米で有名なのは、山田錦、雄町、五百万石等があります。これら酒造好適米が使用されているものは、価格が若干高めに設定されていますが、酒質もワンランク上のものとして、皆様を心地良い酔いに誘うものでしょう。日本酒の主原料は紛れもなく米です。主原料の米が良いものであれば、酒も良いものになると私達は信じています。米をつくるには八十八の手がかかると言われますが、酒づくりも米づくり同様、たくさんの手をかけているのですから。

精米の効果

米を構成する物質は、澱粉、水、蛋白質、脂肪や灰分等で、主成分は約70%を占める澱粉です。以下、水約13%、蛋白質約8%、脂肪約2%、灰分約1%(玄米時)となっています。玄米は精米の工程において、表層や胚芽が糠(ぬか)として取り除かれ白米になります。

酒づくりには、この精米が非常に重要なポイントになります。普段、皆様が御飯として食べられている飯米の精米歩合(白米重量÷玄米重量)は90~92%程度です。しかし、酒米のそれは、低いものでも70数%、高いものでは30数%にまで磨かれます。1tの玄米を35%精米したとするならば、350kgの白米ができます。残りの650kgは糠になります。仕込みに使用できる米はわずか三分の一にまで減少してしまうのです。

一見、無駄とも思えるほどの高精白はなぜ行われるのでしょうか。先に述べたように、米は複数の物質から構成されます。そして、酒づくりにおいて重要な、アルコール醗酵に関係する澱粉は、米の中心部に存在します。逆に米の表層部には、酒づくりに悪影響を及ぼす可能性の高い蛋白質等の物質が存在しているのです。つまり、高精白を行うことは、不純物を取り除き、より純度の高い澱粉を求める行為だということになります。 高精白米で酒を仕込むと、いわゆる雑味の少ないきれいな酒に仕上がります。  一般に高級酒といわれる酒の多くは精米歩合が高く、きれいな酒に仕上がっています。しかし、いたずらに米を磨くことはあまり意味がないようです。高精白の効果が得られるのは35%ほどまでで、それ以上磨くことは、商品の付加価値としての高精白にすぎないと言えるかもしれません。何事も「過ぎたるは...」ということでしょうか。

酒屋の看板、酒林

昔、質屋さんには将棋の「歩」の看板がよく使われていたそうです。一歩質屋に入ると「金」になるという駄洒落です。 酒屋にも、古くから店頭に杉の葉を集めた直径40センチくらいの球をつるして、酒屋のしるしとする慣しがあります。これは決して駄洒落ではなくて、神酒を祭る奈良の三輪神社の御神木である杉にちなんだものです。この看板は、「酒林(さかばやし)」といい、「ここはお酒を売っています」、「新酒ができました」ということを表すものです。特に緑鮮やかな新しい酒林が掲げられた時は、新酒ができましたという意味になります。造り酒屋には必ずと言っていいほど、酒林が掲げられています。興味のある方は、是非一度ご覧ください。

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