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蔵元だより

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其の46 四季醸造

日本酒は冬仕込むもの」このことはなかば常識であり、疑う余地はありません。しかし実際には近代的な設備や高度な機械化により、季節を問わない造りも可能になっています。年間を通じて酒造りができる設備を有した蔵を四季醸造蔵といいます。蔵とはいってみても、「蔵」という言葉から連想するものとは程遠い酒工場。現在、大手メーカーは全て四季醸造蔵となっています。

江戸期に寒造りが完成されてから今日に至るまで、仕込みの主体は冬期です。雑菌の繁殖の恐れが少なく、醪の温度管理が容易であること。そして農閑期の労働力(蔵人)が確保できること。これがその理由です。数百年にも及ぶ日本の冬の風物詩、寒造りこそが伝統的な日本酒の仕込みなのです。

しかし、逆説的に言えば、寒造り以前は季節を問わず仕込みをしていたわけですから、四季醸造こそ伝統的な仕込形態、との主張もあるようです。いずれにしても、人為的に冬に近い環境をセットするわけですから、低温下での仕込みが良いことは間違いありません。

四季醸造は大正時代頃から研究が始められ、戦前にはハワイで実用化されていたというから驚きです。日本では昭和三十五年に本格的な四季醸造蔵が完成、高度経済成長時代を背景に、大手メーカーの四季醸造化と大量生産化は急速にすすみました。四季醸造化の功罪は大きく次の二点です。①機械化により生産性が上がったことによる増産、②労働の合理化への寄与。酒が飛ぶように売れた高度経済成長時代には、大量生産は不可欠だったでしょう。しかしこれは品質低下の懸念を併せ持つ諸刃の剣です。労働の合理化は夜間、休日の人手を減らし、労働力の軽減を実現しました。しかし一方で熟練技術者なしの造りとなり、マニュアル通りの平均的な味になったとの指摘もあるようです。

仕込みの時期がいつであろうと、消費者が求めるのはいつの時代も「良い酒」です。品質はより高く、良い意味での個性的な酒造りこそが生産者に求められるのではないでしょうか。生産性を高め、労力を減らすことのみに重きを置けば、消費者の求める「良い酒」は醸すことは困難でしょう。

五橋の夏仕込み

弊社では十数年前から真夏の仕込みを行っています。とはいっても、大手蔵のような四季醸造でなく、季節商品や特殊商品などを必要に応じて仕込む、変則的な四季醸造です。弊社では日常的に夏の仕込みが行われていますので特に意識もしませんが、地方の蔵で季節を問わず酒を仕込むというのはほとんど例がないようです。

夏仕込みを可能にするのはやはり機械化によるところが大きく、空調設備や醪のコンピューター管理が不可欠です。しかし、ポイントはやはり醸造に携わる社員の経験。大手蔵のように完全な四季醸造ではありませんから、夏仕込みにはそれ相応のテクニックがいるようです。

弊社において真夏にも仕込みを行う商品は本醸造生酒、低アルコール純米酒の「花ならつぼみ」、発泡純米酒の「SHUAWA」の三種類です。しぼりたてといえば通常、冬の風物詩ですが、弊社の場合は真夏にもしぼりたてをご提供できます。言ってみれば五橋の夏の風物詩それが夏仕込みなのです。   (写真左から)   夏造り生酒本醸造 300ml/450円(税別)   SHUAWA 330ml/500円(税別)   花ならつぼみ 720ml/1500円(税別)

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