1. TOP
  2. 蔵元だより

蔵元だより

蔵元だより

其の43 花・酒・桜

花見の酒はなぜ桜?

満開の桜の木の下で食事をしながら酒を飲む。昔から花より団子といいますが、その実態は花より酒。私たち日本人がもっとも心躍らせる酒宴が花見ではないでしょうか? 花見といえば有名なのが、豊臣秀吉が秀頼、北政所、淀君らをはじめ約1300人の家臣を従えて催した醍醐の花見(1598)。この日のために700本もの桜を植えさせたといいいますから、その豪華さは想像もつきません。しかし、なぜ日本人はこれほどまでに桜を愛して止まないのでしょう。

花見の歴史は古く、奈良時代にはすでに行われていたようです。しかしこの頃は梅見であり、桜に変わったのは平安時代からだとされています。桜はつぼみがほころび始めるとパッと咲き、その役目を終えるとパッと散ります。生命力の強い木であると同時に、潔さを併せ持つあたりが日本人の美意識に共鳴した、との説が有力のようです。

庶民に花見が定着するようになるのは江戸期からで、この頃はすでに花見という名目でどんちゃん騒ぎが行われていたようです。冒頭に書いたように、いつの時代も花より酒のようです。

桜の花から生まれた酵母

「桜の花から清酒酵母を」「桜の酵母から清酒を」山口県産業技術センター(以下センター)の柏木享食品技術部長の頭の中にそんなイメージが涌きました。平成11年初春の淡い夢でした。

この試みは容易ではなかったようです。通常、清酒酵母は有良酒を醸造した醪、あるいは酒母から分離されたものから使用されます。自然界の植物から清酒酵母を分離するというのは前例が無いのですから無理もありません。宇部市周辺の桜、約50本を分離対象にセンター及び宇部工業高等専門学校の学生らが分離作業を行いました。分離までの工程は専門的なため割愛いたしますが、段階的にアルコールの添加量を高くする培地の中で酵母の選別を繰り返すという、気の遠くなるような作業だったようです。その結果、平成12年12月に酵母が分離されるに至ります。山口県吉敷郡阿知須町のソメイヨシノが分離源です。センター内での小仕込み実験では協会7号酵母と比して旺盛な醗酵を示し、酢酸濃度が著しく低いという結果が得られています。吟醸香のような華やかな香りは生成しませんが、桜を連想させるほのかに甘い香りを生み出す酵母は、「やまぐち・桜酵母」と命名されました。

実は弊社においても数年前から同様の試みをしていました。「錦帯橋周辺の桜から酵母が見つけられないだろうか」残念ながらその試みは実を結ぶに至りませんでした。が、時を同じくして同じ想いを抱いた柏木氏らのご努力により「桜の酵母から清酒を」の夢が実現したのです。

技術者の夢、いや日本人の夢であったかもしれないその夢が、今花開きます。「やまぐち・桜酵母」で醸される桜生まれの清酒をお楽しみください。  ※協会7号酵母・・・分離源は「真澄(長野県)」昭和21年から頒布開始。醗酵は旺盛で香気華やか

五橋 花のあるお酒

弊社の数ある商品の中に「花」の文字が含まれている商品があります。花見にうってつけの、花のあるお酒をご紹介いたします。

花よりもなほ(吟醸酒)

山田錦を50%まで磨いた吟醸酒。春を連想させるほのかな吟醸香とソフトで軽やかな口当たりが特徴。暖かい春の日差しに包まれて楽しみたいお酒。

錦上添花(純米酒)

山口県内の山田錦栽培適地トラタン村(柳井市伊陸)での契約栽培の山田錦を全量使用。燗で良し冷やで良しの高品質純米酒。屋外での花見で肌寒い日にはぬる燗でどうぞ。

花ならつぼみ(低アルコール純米酒)

「やまぐち・桜酵母」使用。「ワインのような」と表現されるその酒は、正真正銘の純米酒。優しい甘味と心地よい酸味が特徴の、花にたとえるとつぼみの時期の初々しいお酒。

満開の桜に囲まれてこれらの「花」に囲まれれば、観桜の宴がさらに盛り上がること請け合いです。今年の花見は「花よりもなほ」「錦上添花」「花ならつぼみ」で楽しまれてはいかがですか。

バックナンバー

五橋 -GOKYO-

五橋とは

五橋製造工程

トラタン村

樽OK

五橋ブログ

蔵元見学

イベント情報

メディア掲載歴

蔵元だより