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其の41 スローフード その2

日本酒とスローフード

イタリアで起こったスローフード運動は、世界的広がりを見せています。郷土料理や質の良い食品を守る、質の良い素材を提供してくれる小生産者を守る、消費者に味の教育を進める、といった反ファーストフード(ライフ)的活動への関心の高さの表れかもしれません。しかし、こういった活動は必ずしもイタリアだけで行われていたわけではありません。実は日本酒の世界でもスローフード的活動はすでに起こっていました。

戦後、高度経済成長を遂げた我が国において、日本酒の需要がピークを迎えたのが昭和50年です。この当時シェアの40%を大手12社が占めていたといわれます。大量生産、大量宣伝、大量販売(消費)の量的拡大を追及した酒が半分近くあったということです。しかしオイルショック後に消費者が変わります。商品選択が厳しくなり、本物志向に傾きます。需要は多様化し個性化が現われ始めます。やがて、画一化した味の酒ではなく、本物の酒を求める声が高まるようになりました。

そうした背景の中でファーストフード的日本酒ともいえるナショナルブランドに対する地方名酒にスポットを当て、本物を求める消費者と良い酒を造っている蔵元をつなぐ役割を果たすことを目指す酒販店が現われました。「われわれは、わが民族の酒であり、国民酒でもある日本酒を守るため『本物の日本酒』を重点的に販売していこう」というスローガンを掲げたグループもあります。これはまさに日本酒版スローフード宣言といえるのではないでしょうか。

残念ながら現代は、高品質であることよりも、低価格であることが商品選定基準になる時代になっているようです。しかし大量生産、大量消費の工業化の世紀、20世紀はすでに終りました。21世紀はゆとりの世紀。高品質の本物の味をスローフード的日本酒、地方銘酒で楽しまれてはいかがでしょうか?

五橋とスローフード

「本物の日本酒」、「本物の地酒」、本物を求める弊社の活動は、スローフード運動が提唱する姿に近似するものだとはいえないでしょうか。

①地酒であることにこだわる 「山口県の地酒」であるためには、「山口県の米、水、人」で醸さなければならないという信念があります。地酒であるということは、地に根ざすということ。風土にマッチした酒質は郷土の味、郷土の個性です。無個性化したナショナルブランドとは異なる主張があるはずです。

②原料米にこだわる 県下でも有数の米どころとして知られる柳井市伊陸の村おこしグループ「トラタン村」との山田錦の契約栽培は、今年で7年目を迎えます。良い原料米を生産してくれる農家があるからこそ、良い酒を醸すことができるのです。

③匠の技にこだわる 完全にFA化された工場には職人は不要です。誰にでも同じ質のものを作ることができるからです。弊社も製造工程の一部を機械化していますが、その目的は酒質の安定と省力化、決して大量生産が目的ではありません。ハイテク(文明の力)とローテク(匠の技)のより良い融合の中、高品質の酒が醸されます。そして吉永杜氏の下で蔵人たちが技術を継承し、五橋の味を引き継いでいくのです。機械に真似できない経験と勘、そして長年培った技が五橋の味を醸すのです。

大量生産、大量消費を目指せば味の平均化と作業の効率化が不可欠です。そしてその流れは急速に広がりました。酒に対するこだわりを持ち、強い信念を掲げる弊社の行動は時代に逆行するものなのかもしれません。しかし、こだわりを持っているからこそ個性ある「五橋」の味を醸すことができるのです。スローフードをとく鍵、それはこだわりなのかもしれません。

大吟醸にごり酒 予約締切り間近

大吟醸にごり酒のご予約締切り(2月6日)が間近となりました。発売日は2月14日のバレンタインデー。チョコレートではなく、1年に1度しか楽しむことのできないお酒を送る新しいスタイルはいかがでしょうか?

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