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其の36 山口県の酒 その2

山口県の酒

日本酒の産地といえば、いわゆる灘(兵庫)、伏見(京都)が有名です。また淡麗辛口で知られる新潟、これも銘醸地として有名です。これらが銘醸地として肩書きを有するようになった背景には、銘酒を生み出すための要因がありました。それはなんだったのでしょうか。少しみてみましょう。

日本一の生産料を誇る灘には言わずと知れた宮水があります。また寒風「六甲卸」の恩恵など酒造りに適した環境が備わっていたことに加え、高精白を可能にした水車精米の採用も銘酒つくりの一因だったようです。

伏見の名は伏流水が豊富にあることから名づけられたとされます。「女酒」と称される酒質を生み出したのがこの伏流水です。室町時代頃から名醸地として知られ、都市の発展に伴い、その基盤を固めていったとされます。

新潟は日本の穀倉地帯で、良質の水源(雪解け水)にも恵まれています。そして、三大杜氏のひとつ、越後杜氏発祥の地といえば、名醸地となったのは必然だったといえるでしょう。

以上のように名醸地と称されるようになるには技術力や環境条件が備わっていることが必要だったようです。しかし最近では機械化や高度な醸造技術(微生物・醗酵管理)により、環境条件の差はカバーされ、品質の優劣も昔ほど感じられなくなっているのではないのでしょうか。

残念ながら山口県イコール名醸地の図式は成立していないようです。しかし山口県は西日本の気候風土上山田錦の栽培適地です。実際、山田錦の栽培にも力を入れており、高品質の山田錦が多く収穫されるようになっています。さらに幻の米「穀良都」や神の米「イセヒカリ」など酒造りに適した優良米も栽培されており、日本酒の主原料である酒米については申し分ない状況です。また水の点についても山口県は比較的水量が豊富です。特に県下最大の錦川を有する岩国地方では、少雨による深刻な水不足のときでも、その心配はほとんどありません。そして山口県は大津杜氏、熊毛杜氏といった杜氏集団発祥の地でもあります。灘、伏見を中心とする大手メーカーの全国ブランド化により、味の画一化、平均化が進む中で地方杜氏の醸す山口県の酒は、個性的な山口県の味に仕上がります。さらに最近では山口県産業技術センターが日本ではじめて桜の花から清酒酵母(やまぐち・桜酵母)の分離に成功し、この酵母から特徴ある清酒も商品化されるなど、米、水、人そして酵母と銘酒が生まれる土壌は整っているといえるのではないでしょうか。

山口県はいわゆる「酒どころ」ではありませんし、全国的に通じる銘柄も多くありません。しかし、「酒どころ」の酒よりおいしく、全国レベルの酒質のものも必ず存在しているものと思います。新しい美酒探しはまず地元から。山口県の酒をどうぞよろしくお願いいたします。


ぬる燗のススメ


つめたい冷酒を楽しむ暑い夏は終わりました。とは言っても、現実にはまだまだ暑く、冷酒の恋しい季節です。しかし貝原益軒の「養生訓」を見てみれば、「酒は夏月も温なるべし。冷飲は脾胃を破る」とあり、ドキッとさせられます。また「凡(そ)酒は夏冬ともに冷飲熱飲に宜しからず。温酒を飲むべし」ともあり、ぬる燗を勧めていることが分かります。


ぬる燗とは40℃前後の燗酒(表 燗酒の表現と温度参照)で、胃に負担をかけずゆっくり吸収されるので良いとされます。ぬる燗に向く酒といえば醇酒タイプ。このタイプの酒はほぼこの温度で全体の味わいが調和し、香りのバランスも良くなり、余韻も長く感じられるとされます。


ところで、山口県の酒は醇酒タイプの傾向にあるようです。秋の夜長のお燗酒、山口県の醇酒をぬる燗で楽しまれるのはいかがですか?
※凡酒・・・全ての酒(凡は全て、おおよその意)

表 燗酒の表現と温度
日向間(ひなたかん) 30℃前後
人肌燗(ひとはだかん) 35℃前後
ぬる燗(ぬるかん) 40℃前後
上燗(じょうかん) 45℃前後
あつ燗(あつかん) 50℃前後
飛び切り燗(とびきりかん) 55℃以上

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