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其の34 生酒いろいろ

暑い夏にキリッと冷えた生酒を楽しむ。こういった光景はすっかりおなじみになりました。生酒という言葉は広く認知されたようですが、生酒とはどういう酒のことをいうすのか、ということについては案外知られていないようです。

生酒とは「清酒もろみを上槽してから火入れするまでの酒」と定義されます。製法品質表示基準においては「製成後、一切加熱処理をしない清酒」とあります。火入れ(加熱処理)をしないから生。単純な話です。

生酒の味わいの特徴としては、火入れをしていないために特有の新鮮な風味が感じられるということでしょう。「しぼりたて」を連想させるフレッシュさ、これが生酒の持ち味です。

しかし、生であるということは酒の品質変化が起こりやすいというリスクもはらんでいます。日本酒は防腐剤など品質を保持させるような薬品を一切使用しませんから、火入れという加熱殺菌、冷暗所での保存による品質管理が品質保持の手段となっているのです。その品質保持に最も有効である火入れを行わないということは一昔前までは考えられないことだったでしょう。冷蔵貯蔵設備の充実や流通時のチルド輸送等により「生酒」が市民権を得たといえるかもしれません。

ところで、現在日本酒の世界には三つの生が存在します。先ほど「火入をしないから生。単純な話」と書きましたが「火入をしたのに生」という商品があります。ややこしい話です。一つは生で貯蔵しておいて瓶詰時に火入れをする「生貯蔵酒」。もう一つは火入れ後タンク貯蔵をし、瓶詰時には火入れをしない「生詰酒」。ラベルにはそれぞれ「生貯蔵酒」、「生詰酒」と表示してありますが、「生」の字が強調されていることが多く、消費者の誤解を招いている恐れは否定できません。

「生貯」「生詰」という商品が存在する理由はやはり品質変化というリスクを回避するためだろうと思われます。貯蔵設備が十分でなかったり、流通ルート内での管理がずさんだったりする中で「生」と表示できる商品を持ちたいメーカーの苦肉の策で誕生した商品なのかもしれませんが、消費者に説明なしの「生」表示では消費者離れというリスクは回避できそうもありません。生にもいろいろありますが、本物の生は言うまでもなく一切火入れをしない本生酒なのです。

蔵元見学疑似体験 ~生酒タンクを見てみよう~

一年中酒を造っている大手メーカーは別として、多くの蔵は冬(11月~3月頃)に仕込んだ酒を1年間で消費します。貯蔵中に酒は調熟し、香味のバランスがとれてきます。夏を越した酒が「秋あがりして美味く」なるのはこのためです。

しかし、生酒はフレッシュな味わいが信条ですから、貯蔵中の熟成は好ましくありません。特に弊社の生酒は本生酒ですから貯蔵中の熟成を防ぎ、生酒の新鮮な味わいを一年中変わらずお届けするために、マイナス5度という氷温タンク貯蔵をしています。生酒用タンクは2重のジャケットタンク。タンク内部にはマイナス7度の不凍液がまわり、酒の温度を制御するという仕組みです。 弊社の生酒がいつもフレッシュさを損なわないのは、こういうタンクで貯蔵管理しているからなのです。

五橋 ひや好評発売中

先月より発売を開始いたしました夏季限定商品(6月~9月)の五橋 「ひや」。おかげさまで大変な好評をいただいております。夏は冷やして楽しむ、いわゆる淡麗タイプのお酒が主流ですが、この「ひや」はどちらかというと濃淳タイプに分類されるお酒です。ラベル中に「氷に負けない本格原酒」と書いてある通り、おすすめの飲み方はロックです。

グイっと飲みほす爽快感も良いですが、わが国には昔から生活理念に根ざした粋というものがあります。かつて風鈴の音で涼をとったように、グラスの中で氷が溶ける音に静かに耳を傾けながら「ひや」をゆっくりと口にする。そこには心に染みわたる涼があるでしょう。日本の夏は日本の酒で、どうぞお楽しみください。     五橋 ひや 1800ml 2000円/900ml 1100円(税別)

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