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蔵元だより

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其の23 酒の級別と特定名称

級別廃止

日本酒がかつて特級、一級、二級の級別に分類されていたことは記憶に新しいでしょう。昭和18年に導入された級別制度は、平成元年に特級が、そして平成4年に一級及び二級が廃止され、約半世紀続いた歴史に幕を閉じました。

完全撤廃されて10年近く経った今なお、「一級二級」と級別の呼称を使われる方がいらっしゃるほど定着していた級別制度。この級別はどのようなものだったのでしょうか。

各等級のおおまかな基準は、「特級は品質が優良であるもの。一級は品質が佳良であるもの。二級は特級及び一級に該当しないもの」ということでした。この級別の認定は国税局の酒類審議会の官能審査によって行われていました。蔵元は各タンクのサンプルを提供し、希望する級別の審査を受けるという仕組みです。

それではなぜ、級別制度が採用されるようになったのでしょうか。一般的には戦時体制下における酒税増徴が目的であったとされています。級別表示がされていれば二級より一級、一級より特級の方が良い酒だと思ってしまうのは仕方ありません。良い酒を求める消費者は必然的に等級の高い酒を求めます。そして等級の高い酒は酒税も高い・・・。結果的に高い酒税が収められるようになるという仕組みです。

例えば特級酒の酒税は1.8リットル当たり約1000円。(アルコール度数15~16度)、二級酒であれば約200円と実に800円もの差がつきました。さらに特級酒には税金のおまけのような従価税というものまで課せられ、「税金を飲む」といってもいい過ぎでない状態が現実でした。

そんな級別制度に異を唱えた一部の酒造メーカーは、特級で出しても恥ずかしくない品質のものを、あえて二級として安く販売するという販売方法を用いたりしたようです。その結果、大手メーカーの特級酒より、地方メーカーの二級酒のほうがおいしいという現象も時としてあったようです。

いずれにしても、級別が購入の際の目安になっていたことは言うまでもありません。その級別が廃止されたことで、皆様が酒を選択される際の眼(舌?)力が問われるようになったということでしょうか。

課税標準及び税率(昭和60年)
種類 アルコール分 1KLあたり税率
清酒 特急 15〜16% 570,600円
一級 15〜16% 279,500円
二級 15〜16% 107,900円

昔特級、今吟醸

級別制度が廃止される前までは、特級が良い酒の代名詞でした。現在では吟醸酒が良い酒の代名詞として認識されているようです。しかし、当たり前のことですが吟醸酒は特級酒とイコールではありません。吟醸酒という呼称は、製法品質表示基準での表現方法に過ぎません。級別制度と特定名称制度は根本的に考え方が違いますので、「良い酒の代名詞の吟醸酒は昔の特級酒」などと同じ枠で考えるとどうしても無理が出てきます。

級別表示がなくなり、吟醸酒、純米酒、本醸造などという表示が使われるようになっていますが、純米酒にも、本醸造にもそれぞれの良さがあります。「吟醸酒が最高のもの」と思い込んでしまえば酒の選択の幅をせばめることになるでしょう。

どのようにして飲むか(燗か冷か)、肴は何か(味の濃いものかさっぱりしたものか)、いつ飲むか(食前か食中か)など、飲む状況に応じて選択されるのが最良の方法でしょう。肩書きだけでお酒を選ぶ時代は終わりです。「昔肩書き、今選び方」楽しみながら良いお酒選びをしてください。

今年もやっぱり夏造り

今年も恒例の夏造りの生酒が仕込まれました。盆を迎えるまでには搾りが終わり、皆様のお手元に届くようになるでしょう。真夏の生酒造りは全国的にも珍しく、このことからすると真夏にしぼりたてが飲めるということはあまり例がなく、贅沢なことだといえるかもしれません。

そんな贅沢な夢が今年も実現します。五橋夏造り生酒は夏に仕込み、夏にしぼり、夏に飲む。飛び切りの新鮮さを詰め込んだ真夏のしぼりたてです。今年もやっぱり夏造り、涼味あふれる夏の生をお楽しみください。

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