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其の86 五橋を醸す男たち~平成23酒造年度の仕込み始まる~

平成23酒造年度始まる
今年度の蔵入りは、ほぼ例年通りの10月17日。道具の洗浄等、諸準備をした後いよいよ仕込みが始まります。(※酒造年度は7月~翌6月までの1年間)

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 仲間杜氏を筆頭に、製造社員3名、季節雇用の蔵人4名、精米士1名、分析担当2名の計11名での酒造りです。
 これから春まで約半年間、昼夜を問わないつらく厳しい酒造りが行われるのです。
 そもそも冬期に仕込む酒の酒質が良いとされ、寒造之酒(かんづくりのさけ)が奨励されたのが江戸時代中期から後期の頃です。以来200年以上続く、酒造業界の伝統的な仕込みが寒造り。日本の冬の風物詩です。

「山口県の地酒」を醸す
 今年も原料米には全量山口県産米を使用。その品種は山田錦、西都の雫、イセヒカリ、日本晴の4種類。これらは全てトラタン村内にある精米機にて自社精米を行います。日本酒の主原料たる米にこだわる弊社の、お客様には見えないこだわりです。
 仕込み水は錦川の伏流水。地下40メートルから汲み上げる硬度1.6の軟水で醸される酒は、五橋伝統のソフトでなめらかな口当たりを生みだします。「第2の主原料」ともいえる水のなせる業です。
 これらの米、水を芳醇な雫に変えるのが蔵人たち。山口県の米、水、人が三位一体となって醸される五橋はまさしく、山口県の地酒。私たちはこのことを誇りに思います。


「当たり前の事を当たり前に」
 弊社では多種多様の商品をご用意させていただいております。これは決して奇をてらった特殊なお酒を造っているわけではありません。日本人の主食である米から醸される日本酒の可能性を広げようとした結果なのです。
 例えば大吟醸。全国新酒鑑評会など、多くのコンクールで賞を受賞しています。果実様の華やかな香りと、なめらかな口当たりは至高の逸品。
 日本酒の伝統的製法である生配造りにも取り組んでいます。ここではその製法を詳述しませんが、近代的な醸造法から考えれば、恐ろしく手間と時間がかかる製法です。
 しかし、この製法で醸された酒は特徴的な酸味を有し、熟成に強い。春先に搾って一夏越した秋口から旨味を増してきます。燗上がりをするので、燗酒が恋しくなる季節にもぴったり。「美味い」のではなく、「旨い」酒。
 そして5年前から取り組んでいるのが木桶仕込み。製桶所に社員を派遣してまで、桶の扱い方やメンテナンス法を学ばせたのが本気の証。昨年は木桶仕込みの純米酒で全米日本酒歓評会のゴールドメダルも獲得し、今春の全国酒類コンクールでは第2位を受賞しています。
 伝統的な製法だけでなく、トレンドにも対応しています。低アルコールの純米酒や発泡性純米酒がそれ。いわゆる日本酒らしさはほとんど感じられず、麹に由来する優しい甘味、柔らかな酸味とあいまったその味はまさしく新感覚の日本酒。日本酒が苦手だといわれる方にこそお奨めしている日本酒です。
 もちろん、昔から愛されているレギュラー商品も手を抜くことはありません。「当たり前のことを当たり前に行う」そうすればおのずと良い酒が醸されると私たちは信じているのですから。


酒造りに頂点はない
 『月日は百代の過客(はくたいのかかく)にして、行きかふ年もまた旅人なり。』
(訳/月日は永遠の旅人であり、来ては過ぎる年もまた旅人のようなものである)
 これは江戸時代初期に書かれた「奥の細道」(松尾芭蕉【1644-1694】)の書き出しです。自らが陸奥へ旅に出る前の心情を時の流れと重ねたのでしょうか。一つの決意と覚悟を決めた芭蕉は、時間を旅人になぞらえました。
 今春、平成22酒造年度の仕込みを終え、一息ついたばかりであったはず蔵人たちもあっという間に酒造期を迎えたことに、時の流れの速さを感じるとともに熱い決意を胸に秘めていることでしょう。
 『酒造りに頂点はない。』この言葉は旅に終わりがないことを意味しているのでしょうか?蔵人たちの終わりのない旅は今、始まりました。今期も五橋にご期待ください。

(編集 大下勝己)

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