1. TOP
  2. 蔵元だより

蔵元だより

蔵元だより

其の19 古酒(長期熟成酒)

日本酒は製造されて一年以内ぐらいに飲まれるのが現在の大方の常識です。しかし、歴史を溯ってみた時には新酒より古酒の方が貴重であり、むしろ日本酒は古酒にかぎるといった風潮があったことはあまり知られていません。なじみが浅く、めったに口にする機会のない古酒。古酒とはどんな酒なのでしょうか。

日蓮上人は鎌倉時代に「人の血を絞れる如くなる古酒」と、すでに古酒の存在を記しています。「本朝食鑑」(1695)の中には「古酒は味厚くして、身体の上下共にうるおうて酔う。 ~略~ 新酒は味薄し、頭上ばかり酔って下も寂なり」と、両者の違いが表現されています。古酒は確かに日本の酒文化の中に存在していました。しかし、その古酒が明治以降の一時期姿をひそめました。

当時は酒造(貯蔵)技術が未熟であったため、腐造の危険性が高かったこと、明治期から導入された「造石税」(造った酒全体に酒税を課する方法。現在では酒の販売時点で課税する)が過酷であったこと等、酒を貯蔵する環境が整ってなかったことが原因のようです。しかし、昭和期に入ると古酒が少しずつ姿を見せるようになります。古酒復活です。

酒は貯蔵という過程で味、香り、色が変化します。いわゆる熟成という現象です。それぞれの変化を簡単にみてみましょう。まず味は熟成によりまろやかになり、重厚な味わいへと変化します。香りは老香(ひねか : 熟成過程で生じる香り。強い老香は一般的に好まれない)が生じた後やがて熟成香へと変わります。そして色は無色透明から琥珀色、褐色と色濃くなり、風格を漂わせるようになります。

酒のタイプによっても古酒としての酒質は当然異なります。純米系は熟成香が強く着色も濃い濃熟タイプの古酒。吟醸系はかすかな熟成香とかすかな着色、柔かく滑らかな味わいの淡熟タイプの古酒。古酒の魅力もまた、一言では言い表せません。まろやかな味、おちついた香り、そして風格のある色あいの酒そのものの楽しみもさることながら、肉料理や脂っこい料理などとの絶妙な組み合わせも楽しみを倍増させます。長い間忘れさられていた古酒。古酒の魅力が日本酒の魅力も倍増させそうです。

古酒づくりにチャレンジ

日本酒を熟成させるのは家庭でも可能です。新聞紙などでお酒を包んで床下や涼しい押入れ、冷蔵庫などに貯蔵すればいいだけですから実に簡単です。  おすすめのお酒は熟成による変化を受けやすい純米酒です。酒の熟成に適した環境は   ①年間を通じて温度が低く一定で、   ②紫外線を遮断でき、   ③振動がないことですが、 あまり難しく考えなくても良いでしょう。一番難しいのは開栓のタイミングかもしれません。大事に貯蔵しておいたお酒ですから、開けるのが惜しく感じるのではないでしょうか。お子さんの誕生記念に貯蔵して、成人した日に一緒に飲む。結婚の記念に貯蔵して記念日に飲む等、自分だけの酒を楽しむアイディアは無限です。記念日当日の新聞で酒を包んでおけば、「あの頃は...」なんて思い出話にも花が咲きそうです。


五橋 古酒「壺中日月」新発売


あれはいつの日のことだったでしょうか。薄暗い酒蔵の中であの酒が搾りだされたのは。気がつけば数年の月日が経ち、光をも通さぬ漆黒の闇の中で目醒めることになりました。


「壺中の天地」という言葉があります。俗界と離れた別天地。また、酒を飲んで俗世間を忘れる楽しみという意味です。この酒が目醒めた場所は、文字通り俗界を離れた山奥の洞窟の中。「壺中日月」という商品名の由来は説明するまでもないでしょう。名は体を表すではないですが、この名前が全てを語ってくれます。


壺中日月は平成3年3月より瓶貯蔵を行った純米吟醸古酒。大切に貯蔵した酒ですから、200本の数量限定。数少ない貴重な古酒を古酒(虎視)耽々と狙っている方もいらっしゃるようです。悠久の時が滑らかで柔かい口あたりの酒に仕上げました。気品ある琥珀色の酒に新しい日本酒の世界を見つけて下さい。それが皆様の別天地になるかもしれません。
壺中日月(純米吟醸 古酒) 500ml/1500円(税別)

※古酒耽々は玖珂郡美和町の松田好正様のお手紙より引用させていただきました。

バックナンバー

五橋 -GOKYO-

五橋とは

五橋製造工程

トラタン村

樽OK

五橋ブログ

蔵元見学

イベント情報

メディア掲載歴

蔵元だより