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其の15 酒と健康 その1

酒は致酔飲料

自然界に酒が誕生してから今日に至るまでの間に、酒は民族の文化として定着しました。ギリシャの医学の祖、ヒポクラテスは酒(ワイン)を次の様に賛えています。「酒は最も価値のある飲料であり、最も楽しい食品であり、そして最も美味しい薬である。」

しかし、酒は嗜好品であると同時に致酔性を持ち合わせているため、飲酒のあり方についてはいろいろ注意が必要です。年の瀬が近づき飲酒の機会が多くなるこの時期に、今一度「酔う」ということを考えてみたいと思います。

酒の主成分であるエチルアルコールは、薬理学的には中枢神経系の麻酔薬と認識されます。アルコールは胃や腸などの消化器官から吸収され、血液とともに全身にまわっていきます。その結果、全身の末梢血管を拡張し、脳の神経細胞を麻痺させます。これが「酔い」です。 酔いの程度は血中のアルコール濃度によって異なり、その関係は次のようになっています。

酔うと心地良く、ストレスも解消されます。また気も大きくなりますからついつい飲み過ぎてしまうこともあるかもしれません。しかし、神様が与えて下さった、最も価値があり、最も楽しく、最も美味しい酒を自らの体を蝕む血吸い(ちすい)飲料にしないよう気をつけたいものです。

(図)血中アルコール濃度と酩酊
酩酊度 血中アルコール濃度(mg/ml) 症状
弱度酩酊 0.2~0.5 気分が爽やか、判断力がやや鈍くなる
軽度酩酊 0.5〜1.0 ほろ酔い気分、抑制除去、不安・緊張の減少、陽気、反応時間遅延
中度酩酊 1.0〜1.5 多弁、感情不安定、大胆、注意力減退
強度酩酊 1.5〜2.5 平衡感覚麻痺、感覚鈍化、言語不明瞭、眠気、衝動性
泥酔期 2.5〜3.5 運動機能麻痺(歩行困難)、意識混濁
昏睡期 3.5〜5.0 昏睡、感覚麻痺、呼吸麻痺、死

酒に強い人、弱い人

コップ一杯の酒で顔が紅潮してしまう人がいる一方で、酒を浴びるほど飲んでも顔色一つ変えない人がいます。酒に強い、弱いを決める要素は一体何なのでしょうか。  口から体内に入ったアルコールは、その5%程度が尿や呼気として体外に排出されます。残りは体内(主に肝臓)で分解されることになります。それでは、大まかなアルコール分解の流れを見てみましょう。 肝細胞内に運ばれたアルコールは、まずADHに(アルコール脱水素酵素)よってアセトアルデヒドという物質に分解されます。多量のアルコールが入ってきた時はADHだけでは対処できないので、MEOS(ミクロソーム・エタノール酵素系)がADHに代わってアルコールを分解するようになります。このMEOSは飲酒の頻度が多いほど活性が高まるという特性を持っています。酒を慣習的に飲み続けると酒に強くなるということは経験的に御理解いただけると思います。  ADHやMEOSの働きによってアセトアルデヒドが発生しますが、このアセトアルデヒドが血中に残ると顔が赤面し、鼓動が激しくなり、頭痛がします。二日酔いの原因はこのアセトアルデヒドだったのです。このアセトアルデヒドは体に有害ですから、分解する必要があります。そこでALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)の登場です。ALDHはアセトアルデヒドを体に無害な酢酸に分解します。そして酢酸は酸化され、水と二酸化炭素に分解されます。ここでアルコールの分解が終了という流れです。  聞き慣れない言葉が多くて分かりにくかったかもしれませんが、要はアルコールとアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが強いか弱いか。これが酒に強いか弱いかを決定するのです。ところで、ALDHが先天的に欠損している人がいます。蒙古民族系に多く、日本人の約4割がこれに該当します。世界的に見て日本人があまり酒に強くないと言われるのも納得できます。酒に強い人も弱い人も自分の適量を知って適正飲酒に努めて、おいしい酒を楽しんで下さい。それでは皆様良いお年を

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