1. TOP
  2. 蔵元だより

蔵元だより

蔵元だより

其の10 生酒

夏といえば「生」

夏と言えば「生」。生ビールではありません。生酒のことです。もっとも、最近では一年中生酒を楽しまれる方も多く、生酒を夏のものと捉えるわけには行かなくなっているようですが。

「生」は火入れをするかしないかという点で分けられます。火入れとは、酒を65℃前後の低温で加熱殺菌することをいいます。火入れは通常タンク貯蔵する前と、瓶詰時の2度行われます。その目的は、貯蔵中に酒質を変えてしまう酵素や、酒の腐敗につながる火落ち菌を失活させることにあります。また、保全性を高める効果もあります。この火入れは、パスツール(仏、1822~1892)が腐敗ブドウ酒の研究により低温殺菌法(パスツーリゼーション)を考案する約300年も前から、我が国では行われていたのです。日本人の微生物に対するセンスの良さには驚かされます。

一口に生酒といってみても、生酒は生酒(本生酒)、生貯蔵酒そして生詰酒の3タイプに分類されます。生、生、生、で混同してしまいそうですが、違いを簡単にご紹介いたします。生酒(本生酒)はその名の通り、一切火入れを行わないものをいいます。そして、タンク貯蔵をする前の火入れをせずに、瓶詰時のみ火入れを行うものを生貯蔵酒。火入れのあとタンク貯蔵をし、瓶詰の際の火入れを行わないものを生詰酒といいます。

本当の意味で生酒といえるのは一切火入れをしない生酒でしょう。火入れをしないことにより、タンクの中そのままの新鮮さが瓶に封じ込められるのです。それはあたかも、商品の一本一本が小さなタンクであるかのように。弊社の生酒(純米吟醸、本醸造)は火入れを一切しない本生酒です。本生酒特有の新鮮さをぜひ一度ご賞味いただきたいと思います。

酒と火落ち菌

日本酒には火落ち菌という天敵が存在します。アルコール度数15~16度が一般的な日本酒の中では、普通の細菌類は増殖が困難です。しかし、火落ち菌はアルコールを好み、アルコールに強い。日本酒中でも容易に増殖することができます。「アル中菌」とも呼べる火落ち菌が、日本酒中に増殖する現象を俗に「火落ちする」といいます。

火落ちは日本酒の変敗現象で、白濁、特異臭の発生、酸の生成が起こり飲めなくなります。現在は製造中の管理、火落ち菌の研究対策等が進歩しており、一般に火落ちの発生は減少したようです。

火落ちは一般家庭においても発生します。開栓した日本酒を長く放置しておくと火落ちする可能性があるようです。お酒をおいしくいただくためにも、お酒の保存、管理には十分気をつけたいものです。

今年もやります夏造り

「日本酒は冬に仕込むもの」このことは、寒造之酒が奨励されるようになった江戸時代から今日にいたるまで、半ば常識となっています。江戸時代以前は一年中酒を造っていたようですが、過去の経験から夏は酒の腐敗の可能性の高いこと、冬に仕込んだ酒のほうが高品質であることなどが分かってきました。このために寒造りが主流となったのです。

しかし、江戸中期から平成の世の約300年の間で、酒造技術はめまぐるしく進歩しました。コンピュータ制御や空調設備の充実による徹底した品質管理、温度管理。そして、世界でも類をみないほどの高度な酒造技術。これらが夏の酒造りを可能にしたのです。

偶然の出会いは時としてすばらしいものを生み出します。五橋の伝統技術と酒造の最新技術の出会い。いや、むしろこの出会いは必然だったのかもしれません。夏に仕込み、夏にしぼり、夏に飲む。生酒の夏仕込をはじめて今年でちょうど10年目。10年目の夏の生、今年の夏もしぼりたてです。

※この年の夏仕込み生酒はグリーン瓶を採用

バックナンバー

五橋 -GOKYO-

五橋とは

五橋製造工程

トラタン村

樽OK

五橋ブログ

蔵元見学

イベント情報

メディア掲載歴

蔵元だより