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其の1 酒の甘辛

甘辛ぴん

江戸時代からある言葉に、「甘・辛・ぴん」というのがあります。甘い、辛いは分かる様な気がしますが、「ぴん」というのはどうもぴんときません。いったい「ぴん」とは何でしょうか。「ぴん」とは尻ぴんというように酒を飲んだ後味の表現で、味の総合的な力強さを表す言葉です。味は言葉にしにくいし、数字や形にも表しにくい。実は「甘・辛」も簡単ではないのです。

甘辛って何だろう?

一口に甘口、辛口と言ってみても清酒の甘辛はどのように判断するのか御存知ですか。清酒の甘辛は清酒中に含まれる糖分の量で判断します。つまり、糖分が多いと甘く感じ、少ないと辛く感じるのです。すごく当然のことのようですが、口でいうほど「甘・辛」は簡単ではないのです。たとえ糖分が多い酒であっても、酸やアルコール、殊に酸が多いと辛口に感じることがあります。これは舌の味蕾(みらい)の甘味に対する感受性を酸が抑制するからで、逆に酸が少なければ、糖分が少なくても甘口に感じられることもあります。

日本酒度計で甘辛を判断する

酒蔵で醗酵中の醪(もろみ)や搾った清酒の成分を分析する際、日本酒度計を用いて日本酒度を測定します。日本酒度とは日本酒の比重を表すもので、水の比重を0として、水よりも比重の大きいもの(糖分が多い=甘口)はマイナスで示し、比重の小さいもの(糖分が少ない=辛口)はプラスで示します。マイナスの数字が大きいほど甘さが強く、プラスの数字が大きいほど辛さが強いということになり、日本酒度から客観的な甘辛の判断ができます。酒によってはラベル等に日本酒度が記載されているものがありますので参考にしていただければ甘辛の目安になるでしょう。

淡麗辛口と言うけれど

普段皆様は日本酒を選択される際、何を基準にされているでしょうか。銘柄、価格、ラベルデザイン等、いくつかの選択基準があると思いますが、ここ数年は、「さっぱりした辛口」や「淡麗な」といった形容詞のつく酒が人気のようです。現在も淡麗辛口ブームは続いており、猫も杓子も淡麗辛口、ビールまでもがこの傾向にならっている感があります。一般に太平の世には辛口の酒が好まれ、乱世には甘口が好まれるようです。事実、我が国に甘口酒が流行したのは第二次世界大戦後でしたし、辛口傾向が現れたのは昭和末期のバブル景気の頃からではなかったでしょうか。

古来より、「酒に五味あり」といわれた甘酸辛苦渋の五味がほどよく調和したものが良い酒と言われています。単に甘辛だけで表現できない味の複雑さ、それが日本酒の味であり、奥深さでもあります。流行だけにとらわれず、多くの日本酒を試されて自分の好みの日本酒を見つけて下さい。

10月1日は日本酒の日

「酒」という字は「酉(とり)」がもとの字になっています。この「酉」は酒壷を表す象形文字を元にしており、こうした文字の意味をつき合わせて考えると、酒と酉とは字の意義的に大差はないということになるといえるでしょう。 ところで、酉は十二支でいうと10月を指します。このことから日本酒業界は昭和53年より10月1日を日本酒の日と定めております。春から秋にかけて静かに熟成を進め、酒質がぐんと良くなった「冷やおろし」の酒がタンクの中で皆様をお待ちしております。日本酒の日を境に、グラスを猪口に持ちかえて秋の夜長を楽しみませんか。

   ひやおろし 呑んで肴に 鰯雲 かつみ

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